なぜクリエイティブディレクションは重要なのか

The role of the work of the day

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前に書いたブログ「ブランド戦略や魅せ方、その低下の所以」その考察の続きです。

私が好きなブランドのアートディレクションの低下について、その原因を考えています。そのブランドは、VALENTINO なのですが、Facebookに流れてくる動画、写真のクリエイションの質が粗くなっているなとずっと感じていて、夫も同意見です。


ある日、フォトグラファーが写っている写真も流れてきました。





ブランドのファンとしては、正直ショックを受けました。


確かに、ハイファッションと、ストリートなど、相反する組み合わせにより、スタイリングや表現にセンスが加わることは、ファッションでの定説といえます。ですが、この場合、

良い影響を与えてないと私は思いました。


最近どんどん悪くなるなぁと感じていましたので、この写真を見て納得したという経緯です。


雑なものは、発展しない。


これはフォトグラファーの責任ではなく、それが誰であれ、その写真をどう切り抜くか、どう使うかにもよるので、指示する側、決める側の責任だと思います。





デザイナーであるピエールパオロは、服や美しいものを愛しているし、職人に敬意をもった優しい存在だと感じます。けれども、服作りに徹してきたことで、クリエイティブ・ディレクションに関しては、あまり経験がないのかもしれません。ずっと服をつくることに多くの人生を、費やしてきただろうから。


最近ある商品開発の中で、「波動」の話をしていて、ブランドや商品がどんどんいい展開をしていくためには、商品、材料、パッケージ、すべてのデザインの調和がとれていなければ、波動がうまく入らないということです。これは一流大学の教授、研究者などによる開発チームからの極めて専門的な話でした。


エレガンスであっても、ストリートであっても、熱量は共有できますが

雑さは、発展しない



ここ数年、ファッションブランドの激変が続いています。

前に感じたことは、LANVINのデザイナーが、エルバスから変わったとき、新生デザイナーとして公開された女性のプロフを見て、どんな新しいLANVINを魅せてくれるのかと期待していました。





だけど、プロフ公開後、Instagramでアップされた写真がどうもイマイチで、イメージクオリティ維持のために、写真は選んだ方がいいんじゃないか?と思ったり。





ブランドってほんと難しい



愛がある物作りは基盤です。そして作る人も、売る人も、買う人も、皆が喜びを感じるものであるべきだと、"全員が共通認識" を持つために、デザイナーの魅力と、クリエティブディレクションによる魅せ方も大切だと思います。

そのためにも、ディレクターに哲学がなければ、それは難しいと思います。


「なんのために服を作るのか?」


その軸をしっかり持たないと、マネーゲームに飲み込まれ、デザイナーは苦悩します。


デザイナーの自殺は、最近もまたファッション業界を悲しみに包みました。

逆に、一時的でも爆発的に売れるブランドは、ディレクション能力が高い人がデザイナーをやっているのだなと思います。彼らは割り切ってヒットブランドを作るので、それはそれでいいと思います。買う人は、高くても買うのです。


一方で、VALENTINOからDIORに抜擢されたマリアは、自然の叡智、精神性を取り入れるのが上手でした。それゆえに、2人が別々になったことで、気づかされることがとても多くあります。





Pierpaolo PiccioliとMaria Grazia Chiuri



まるでマリアがいなくなったことで、自然の叡智や精神性が切り離されてしまった現代の構図を見させられたかのようです。


逆を言えば、男性性と女性性を意図的に統合させていくことで、調和が再び生まれ、美しい世界へと戻るのだと思います。


2人のインタヴューでは、明らかにマリアは直感や運命を信じていました。女性とは、そういう宇宙の叡智を感じ取る能力が男性より高いもののようです。それゆえに、女性が活躍していくこれからの未来は、より調和を保った美しい世界を創り出せるのだと期待します。


マリアとピエールパオロが2人でデザイナーだったころの写真は、女性性と男性性が見事に統合されていて細部にいたるまで、とても美しいと感じました。

見事な美しさとは、統合であり、調和なのだと思います。





それが美しい世界



Blog by Mami Grace Osada

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